高配当株を探していると、リース業界の銘柄が必ずといっていいほど候補に上がります。
なぜかというと、リース会社は「設備を買いたい企業」から長期契約で安定したリース料を受け取るビジネスモデルのため、景気に左右されにくく業績が安定しやすいからです。その結果、20期以上の連続増配を達成している銘柄が業界に複数存在するという、他の業種では珍しい状況になっています。
ただし、リース株なら絶対安全というわけではありません。2026年3月期に業績が大幅に悪化した銘柄もあります。この記事では最新の業績情報も含めて、主要リース株を正直に評価します。
免責事項:本記事は個人の見解であり、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。株価・配当金は変動します。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。数値は2026年3月末時点のものです。最新情報は必ず各社IR情報でご確認ください。
主要リース株の配当利回り・連続増配一覧
まず全銘柄のデータを一覧で確認してください。
| 銘柄 (コード) | 予想配当 | 配当利回り | 連続増配 | 配当性向 | 株主優待 | Q3業績 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 三菱HCキャピタル (8593) | 45円 | 約3.1〜3.3% | 27期 | 約40〜42% | なし | 純利益+55% |
| リコーリース (8566) | 185円 | 約3.5% | 26期 | 約40% | QUOカード | 純利益-18% |
| みずほリース (8425) | 50円 | 約3.5% | 21期 | 約30% | なし | 純利益+14% |
| 芙蓉総合リース (8424) | 158円 | 約3.5〜3.9% | 21期 | 約30% | カタログ等 | 純利益-57% |
| 東京センチュリー (8439) | 参考値 | 約3.5%前後 | — | — | なし | — |
| オリックス (8591) | 参考値 | 約2.6% | 連続増配でない | — | あり | — |
※株価・配当利回りは変動します。最新情報はIRバンク・Yahoo!ファイナンスでご確認ください。Q3業績は2026年3月期第3四半期時点。
私の選定基準で評価したランキング
私の銘柄選定基準は「配当利回り3.5%以上×10年以上減配なし×配当性向30〜70%」です。この基準に加え、直近の業績トレンドを必ず確認することを重視しています。利回りや連続増配の実績だけでなく、「今の業績が配当を支えられる状態か」を見ないと減配リスクを見落とします。
1位:三菱HCキャピタル (8593)|27期連続増配・業績絶好調
- 連続増配年数:27期(国内リース株最長)
- Q3業績:純利益前年同期比55%増と大幅増益 (Yahoo!ファイナンス)
- 配当性向:40〜42%・「配当性向40%以上維持」を公式表明
- 弱点:利回りが3.1〜3.3%と私の基準 (3.5%以上) をやや下回る水準の場合がある
業績・連続増配年数・株主還元方針の3点すべてが揃っている銘柄です。唯一の弱点は利回りが私の基準をやや下回る場面があること。株価が下落して利回り3.5%以上になったタイミングを割安な仕込み機会と捉えています。私が実際に保有している銘柄です。詳細は三菱HCキャピタルの配当・買い時を解説にまとめています。
2位:みずほリース (8425)|配当性向30%・増配余力が最大
- 連続増配年数:21期
- Q3業績:純利益前年同期比13.7%増と増益継続 (Yahoo!ファイナンス)
- 配当性向:約30%(主要リース株で最も低く増配余力が大きい)
- 配当利回り:約3.5%で私の基準を満たす
- 弱点:株主優待なし
配当性向が約30%という点が特に魅力的です。利益の7割を内部留保しており、業績が伸びれば大きな増配余地があります。21年で配当が13倍になった実績も持ちます。業績も好調で、私の選定基準を3つともクリアしています。みずほFG系という安定した親会社の存在も評価できます。
3位:リコーリース (8566)|26期連続増配・株主優待つき
- 連続増配年数:26期(三菱HCに次ぐ業界2位)
- Q3業績:純利益前年同期比18.4%減 (費用増・特別損失の影響)
- 配当性向:約40%(2026/3期目標)
- 株主優待:QUOカード(保有期間により増額)
- 弱点:Q3は減益・株価が高く最低投資額が大きい
26期連続増配は三菱HCキャピタルの27期に次ぐ実績です。QUOカードの株主優待もあり、配当と合わせた総合利回りが高まります。ただしQ3は費用増加と特別損失で純利益が18.4%減と振るいませんでした。IRバンクで業績トレンドを確認してから判断することをおすすめします。
要注意:芙蓉総合リース (8424)|業績大幅悪化中
2026年3月期Q3で業績が大幅悪化
- 原因:再生可能エネルギー関連プロジェクトの債権問題
- Q3業績:営業利益52.9%減・純利益56.9%減
- 通期予想:下方修正済み
- 連続増配年数:21期(維持予定だが業績次第)
- 株主優待:300株以上でカタログギフトまたは図書カード
配当利回りが3.5〜3.9%と高く株主優待もある魅力的な銘柄ですが、2026年3月期Q3で業績が大幅に悪化しています。再生可能エネルギー関連の債権問題が原因で、通期業績予想も下方修正されました (Yahoo!ファイナンス)。
現時点では業績の回復を確認してから判断することをおすすめします。配当利回りが高い銘柄の業績が悪化しているケースはまさに「高利回りの罠」のリスクがある状態です。
参考:オリックス (8591)|利回りは選定基準外だが安定感は抜群
オリックスは国内最大のリース会社であり事業の多角化も進んでいますが、現在の配当利回りは約2.6%と私の選定基準 (3.5%以上) を下回ります。株主優待も魅力的な銘柄ですが、純粋な高配当株の観点では他のリース株に劣ります。保有銘柄として検討する場合は株価が大きく下落して利回りが上昇したタイミングを狙うのが筋です。
リース株をまとめて選ぶ際の注意点
- 同じセクターへの集中リスク:リース株を複数保有すると同一セクターへの集中になる。金利上昇や景気後退の局面では複数銘柄が同時に影響を受ける可能性がある
- 業績の確認は必須:芙蓉総合リースのように連続増配の実績があっても業績が急悪化する事例がある。購入前と保有中の定期的な業績確認を怠らないこと
- 配当性向だけで判断しない:配当性向が低い銘柄でも、業績が急落すれば配当を維持できなくなる。絶対的な安全はない
- 金利上昇リスクはセクター共通:リース会社は資金を借りて設備を購入しリースするビジネスのため、金利上昇は業界全体の調達コスト増につながる
まとめ
リース会社の高配当株ランキング (2026年3月末時点)
- 三菱HCキャピタル (8593):27期連続増配・Q3純利益+55%・業績と実績の両立
- みずほリース (8425):配当性向30%で増配余力最大・Q3純利益+14%・利回り3.5%
- リコーリース (8566):26期連続増配・株主優待あり・Q3は一時的な減益
- 芙蓉総合リース (8424):利回りは高いが業績大幅悪化中・業績回復を確認してから検討
- オリックス (8591):安定感は抜群だが利回りは選定基準外
銘柄選びの基本は利回りや連続増配年数だけでなく、「今の業績が配当を支えられる状態か」を必ず確認することです。芙蓉総合リースの事例はまさに「高利回りには理由がある」という高配当株の鉄則を改めて示しています。
詳しい銘柄の選び方は高配当株の銘柄選定基準を解説、IRバンクでの確認方法は連続増配株の共通点と探し方を参考にしてください。
※本記事の情報は2026年3月末時点のものです。株価・配当金・業績は変動します。最新情報は必ずIRバンク・各社IR情報でご確認ください。
※投資にはリスクがあります。投資判断はご自身の責任においてご判断ください。


